【住まらぼ】心理的瑕疵物件に住んだ人の「本当にあった話」実体験エピソード②「消えない生活音」

「お部屋探しのコツ」

※この記事は、以前僕が担当したお客様(仮名:Sさん)から直接ご相談を受けた体験談をもとに構成した手記です。

日々お部屋探しの接客をしていると、たまに「怪奇現象」というよりは「なんとなく気味が悪い」というリアルな理由で退去されたお客様のお話を聞くことがあります。今回は、築浅で綺麗な格安物件に入居された、20代社会人Sさんの生々しい体験談をお話しします。

Sさんが探していたのは、通勤に便利な人気の駅近く。築浅のワンルームだと相場は8万円前後するエリアでした。

そんな中、ネットで見つけたのが「家賃3.5万円・管理費込」というお部屋。築10年未満でオートロック付き、室内もすごく綺麗でした。募集図面には「告知事項あり」の文字。

店舗で問い合わせた際、担当者からは「1年ほど前に前居者の方が室内でお亡くなりになり、すでに清掃とクロス張り替えが完了している物件です」と説明を受けたそうです。
実際に見に行っても嫌な匂いもなく、日当たりも良かったため、「これだけ綺麗なら全然アリだな」と思って契約を決めました。

2. 隣は空室のはずなのに、夜になると壁から聞こえる「物音」

引っ越して最初の1週間は、特に何の問題もなく過ごせていたそうです。

違和感を抱き始めたのは、2週間ほど経った頃。
夜、部屋で静かに仕事や動画を見ていると、壁の向こうから「カサカサ」と衣類が擦れるような音や、小さな足音が聞こえるようになりました。

ただ、Sさんのお部屋の隣(角部屋側)は、内見の時に「現在リフォーム中で空室」だと聞いていたんです。
「工事の業者が遅くまで残っているのかな?」と思い、念のため翌日に管理会社へ確認してみたのですが、「隣は鍵がかかっており、夜間の作業も一切入っていません」と言われました。
その時は「壁が薄くて別の部屋の音が伝わってきたのかな」と自分に言い聞かせていたそうです。

3. クローゼットの不自然な冷気と、突然の引き戸の音

一番気がかりだったのは、室内にある大きなクローゼットでした。

真夏だというのに、そのクローゼットを開ける時だけ、冷蔵庫を開けた時のようにヒヤッとした冷気が流れてくるのだそうです。
さらにある日の夜中、ベッドに入ってまとうとうとしていると、部屋の電気を消した暗闇の中で『カタッ……スゥー』と、クローゼットの引き戸が少しだけ動く音が聞こえました。

気になって起きて見てみると、確かに10cmほど扉が開いている。
立て付けが悪くて勝手に開いたのかと思い、しっかり締め直して横になったのですが、数分後にまた『スゥー』と開く音がする。
何かが見えたわけでも、声が聞こえたわけでもありません。でも、「この部屋には自分以外の誰かの気配が常にある」というじわじわとした恐怖感と不気味さで息が詰まりそうになり、Sさんは翌朝そのまま実家に避難しました。

4. 退去時に管理会社から聞かされた「前居者の真相」

その後、どうしても部屋に戻ることができず、わずか2ヶ月で解約の手続きをすることになったSさん。

退去の立会いの際、正直に「どうしても不自然な物音や冷気が気になって生活できなかった」とお伝えしたところ、担当のスタッフさんが申し訳なさそうに教えてくれたそうです。

実は前居者の方は、病死などではなく、まさにそのクローゼットの中で自ら命を絶たれていたとのことでした。
発見までそこまで長期間放置されていたわけではないものの、契約時の「室内でお亡くなりになった」という抽象的な説明からは、想像もつかない詳細だったのです。

Sさんは「幽霊を見たわけじゃないけれど、あの部屋の空気感や違和感はやっぱり本物だったんだな」と納得し、短期間で別の普通のお部屋へお引っ越しされました。

💬 賃貸営業マンとして伝えたいこと

今回の事例のように、ホラー映画みたいな現象が起きなくても、**「心理的な違和感や気味悪さ」で生活できなくなってしまうケース**は実際にあります。

不動産屋で「告知事項あり」と提示された際は、ただ「亡くなった」という事実だけでなく、「お部屋のどの場所で、どのような状況だったのか」まで詳しく確認しておくことが大切です。

「安さ」だけに惹かれて契約すると、結局数ヶ月で退去することになり、余計な引っ越し費用がかかって損をしてしまうこともあります。内見時の直感や違和感は、意外と馬鹿にできませんよ。

「この格安物件、もしかして事故物件…?」と不安な方へ

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上野 幸喜(うえの こうき)/ 住まらぼ

大阪で賃貸営業をやって10年目。お部屋探しのリアルな現場感や、お客様から聞いた実体験談をブログで発信しています。

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